チャージバックという言葉をご存じですか?チャージバックとは、クレジットカード会社がECサイトでの売上を取り消すことを指します。また、購入者(クレジットカード保有者)が利用代金の支払いを不服とし、クレジットカード会社に注文取り消しを要求することです。
チャージバックが発生する主なケースとして、
購入者が料金支払いを行ったが、商品が届かない
決済金額よりも多い金額で請求されている
クレジットカードが不正利用されている
などがあります。
通常の返品・交換手続きと違うのは、
購入者とECサイトがやり取りをしているか、
購入者とクレジットカード会社がやり取りをしているか、
という点です。
通常の返品・交換手続きでは、購入したECサイトに明記されている
基準と方法に従って進めていきます。
サイズ違いや注文ミス、初期不良の商品などが該当します。
これに対して、チャージバックは購入者に一方的な不利益が発生する
可能性が高い場合に適用されることが多いようです。
クレジットカードの不正利用や、詐欺サイトの被害が代表例です。
詐欺行為や不正アクセスによる被害で、ECサイトそのものが加害者と
なっている場合も多いです。
このような一方的な被害から購入者を守るための重要な施策が
チャージバックです。
では、チャージバックの方法について具体的に見ていきましょう。
文章が長くなるので、
クレジットカード保有者=購入者
クレジットカード会社=カード会社
ECサイト業者=販売業者
と表記して話を進めていきます。
①購入者がカード会社へ販売業者との取引について異議申し立てを行う
チャージバックにも期限があるようです。
申し立ての理由や内容にも寄りますが、国際ブランドの決済会社では
取引日から120日と定められています。
カードの利用明細はこまめにチェックしておきましょう。
利用明細を確認して、身に覚えのない利用履歴があれば、すぐにカード
会社に連絡して、対応を依頼することが大切です。
②カード会社が対象の取引を調査する
対象の取引についてカード会社が調査をします。
商品や取引明細などを調べ、ミスによるものか悪質な故意による
ものかを判断するためです。
購入者が販売業者を悪者に仕立てようとしても、ここで見抜かれて
しまうでしょう。
購入者を守るための措置を悪用しないでください。
③カード会社が販売業者へチャージバックを通知する
一般的には、カード会社がチャージバックを認定したこと、チャージ
バックを認定した理由が通知されるそうです。
④カード会社が販売業者の売り上げを取り消す
カード会社が販売業者に売り上げの取り消しを通知します。
これで購入者と販売業者の取引がなかったことになります。
⑤販売業者がカード会社へ返金する
カード会社が販売業者へ入金していた売り上げが返金されます。
⑥販売業者が購入者へ商品の返品を依頼する
販売業者がすでに商品を発送していた場合、購入者に商品の返送を求めます。
この段階まで来た場合、販売業者と購入者が直接やり取りする形になります。
商品を返送するときは発払い着払いにかかわらず、発送した証拠が残る方法を
選んでおきましょう。
ここまで見てくると、チャージバックの際に購入者が対応するのは
①購入者がカード会社に販売業者との取引について異議申し立てを行う
⑥販売業者が購入者へ承認の返送を依頼する
のふたつだけになります。
簡単なように見えますが、チャージバックの申請を行う場合は、すでに
詐欺被害に巻き込まれているということでもあります。
怖くないですか?
特に、クレジットカードの不正利用と思われる場合は早急にカードの
利用停止措置をして、これ以上の被害を防がなければなりません。
まとめ
チャージバックを何度も申請するということで、詐欺や不正利用の被害に
遭いやすい、警戒心の薄い人物と思われてしまうかもしれません。
一度でもチャージバックを申請した人、過去にカードの不正利用にあった
人は十分に注意しましょう。
チャージバックを知っておくことで、悪徳業者の詐欺行為に泣き寝入り
することが少なくなります。
クレジットカードの不正利用対策と合わせて、ぜひ覚えておいてください。
余談ですが、クレジットカードの不正利用だと、
詐欺被害はクレジットカード会社、
不正アクセス被害は購入者
が被害者となります。